集落の暮らしに出会う — 石徹白

文: TABITABI郡上 編集部
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郡上市、白鳥I.Cから車で約40分。古くから信仰の対象とされてきた霊峰白山のふもとにある集落、石徹白(いとしろ)。「山懐の別天地」というフレーズが小学校の校歌で唄われる通り、標高750mの山奥なのに空が広く、源流ならではの水量の豊富な渓流があり、豊かな自然資源が育まれています。

現在の人口は最盛期の1/5とも言われる約250人ですが、映画『おだやかな革命』にも登場するなど、全国的にも注目を浴びる地域の一つ。一体石徹白で何が起きているのでしょうか?今日は、ここに生活の場を移し、この地域ならではの生業を見出そうとする人たちに会いに行ってきました!

野良着の復刻と、草木から色をいただく服づくり。
石徹白洋品店

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最初の目的地に選んだのは、石徹白洋品店。山奥でどのように服屋を営んでいるのか、とても気になります。

9時30分に白鳥ICを下り、国道156号線を北上。10分ほど走ったところで314号線へ左折。つづら折りになった峠を30分走った先にある石徹白地区の入り口に、石徹白洋品店はありました。

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店主の平野馨生里さんは岐阜市出身。2007年に初めて石徹白に訪れた際、この集落に「一目惚れ」したのだそう。彼女がここで暮らすために選んだ生業は、それまでの広報の仕事とはかけ離れた「服屋」でした。

本来自分を表現できるはずの「服」を顔の見えない遠くの誰かに委ねるのではなく、自ら参加して作りたいというかねてからの思いをかたちにしようと思い立ったそうです。

2012年の開店当初は、石徹白に伝わる野良着を復刻することに注力していましたが、今ではそれらを現代のライフスタイルにあった形にアレンジしたり、草木染めや藍染ができる工房ができたことで染料にもこだわった服を制作するようになりました。美しい色合いやフォルムだけでなく、ここの服づくりの姿勢が多くの人の共感を呼んでいます。

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石徹白で育った藍で、藍染体験!

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藍甕(あいがめ)はお店の隣に埋設されており、初夏から秋にかけては毎日染めが行われています。染料のもととなるすくもの原料である藍は、石徹白や郡上の仲間たちと自給を試みているところです。畑から服づくりが始まるということに、驚きと興奮でドキドキします!

そんな大興奮な現場で藍染体験ができるということで早速申し込み。担当してくださるのは2019年からここで染め職人として働いている高岡奈美帆さんです。

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10時30分。今日染める手ぬぐいを持って店内へ。柄付けを教えてくれるそうです。
生地を細長く折ってから三角形をつくるように畳み、しっかり縛りました。どんな柄になるかは、染めてからのお楽しみです!

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藍甕に移動し、いよいよ染液に浸けていきます。天然染料なので安心して素手のままチャポン。肌も少し青く染まるので気になる人は手袋の着用も可能です。
生地のひだを広げたり、揉んだりしながら染液に浸すこと3分・・・

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甕からあげた布は青ではなく、緑色に染まっていました!この色をみられるのは染めている人の特権ということで、高岡さんの一番好きな瞬間なのだそうです。

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よく水で洗ってから、再度染め重ねます。排水や川にそのまま流すことができるのも、天然素材のみを使った「天然灰汁発酵建て(本藍染)」ならでは。

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二度目の染めが終わり手も一段と青く染まってきました。生地もうまく染まっているでしょうか?ひもを切ってもらって広げてみると・・・

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くっきりと美しいダイヤの柄が!こんなに綺麗なグラデーションを作れるなんて、またまた大興奮!

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あとは、太陽の下で自然乾燥するだけ。当日持って帰れるというのも嬉しいポイントですね。

藍染体験は、6月〜9月までの期間限定の企画です。手ぬぐい以外にもハンカチやTシャツなども染められるのでご自分へのご褒美や、贈り物に最適なものを選んでいただけますよ。

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この記事を書いた人

  ねこ編集長

TABITABI郡上 編集部

TABITABI郡上は「度々、何度も訪れたい街、郡上」をキャッチコピーに、郡上市の観光情報や魅力を伝えるメディアです。たくさんある郡上の魅力に触れながら、季節ごと、エリアごとに楽しむことができる旅の提案、郡上市の新しい魅力に触れられる情報を提供し続けていきます。

Photographs by TABITABI郡上編集部

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