郡上八幡で味わう、とっておきの麺ランチ
郡上八幡の隠れ家レストランTOMORROWの“ジャンルにとらわれない料理”

郡上八幡の町並みに溶け込むように佇む一軒のレストラン。外観からは何のお店か分からないほど控えめで、まさに知る人ぞ知る“隠れ家”です。

お店を始めたのは令和元年。
名古屋でイタリアや和食、蕎麦、ベトナム料理など幅広い料理を学んできたご主人が、「いつかは地元で自分の店を持ちたい」と、この場所を選びました。
修業を始めたのは26歳の頃。さまざまなジャンルを経験する中で、「ジャンルに縛られる必要はない」と気づき、今では“料理屋”として自分のスタイルを大切にしています。現在は奥様と二人三脚で店を切り盛りし、たくさんの地元のお客さんから愛されています。

店内でいただく料理は、定番メニューのほか、その日ごとに変わる手書きのメニュー。

旬の物、地元の食材を中心に使用し、パンは奥様が焼いた物。
その他タルタルソースやラー油などの調味料や、カラスミに至るまで自家製。訪れるたびに違う味と出会えるのが、このお店の大きな魅力です。
取材の日にいただいたのは「郡上鮎のパスタ」と「シラスとトマトのアーリオオーリオ」。鮎の香りを生かしたパスタは、ブランド鮎である「郡上鮎」が持つ風味と旨味が存分に引き立てられた上品な一皿でした。

地元トマトを使ったアーリオオーリオは、旨みをシンプルに引き出し、素材同士が引き立てあう爽やかな一皿。料理人としての柔軟な発想が、旬の食材を見事に活かしていることを実感できます。

ご主人が大切にしているのは「地元に愛されること」。
新規のお客さんを積極的に呼び込むよりも、昔から知っている人たちに通ってもらえる店でありたいと語ります。

昼は観光客、夜は地元の常連さんと、時間帯によって客層が変わるのもこの店ならでは。踊りのシーズンには予約のコース料理のみを提供するなど、料理へのこだわりと誠実さが感じられます。
ご主人の修業時代に出会った奥様は、結婚して郡上に暮らし、最近子育てを経て改めて「この町は本当に良いところだな」と感じるようになったと言います。
歴史ある町並みや自然、そして人とのつながり。日々の暮らしと店の営みを通して、郡上の魅力を再発見しているそうです。

開業から7年を迎えた今年、かつてのアルバイトが料理人を志して名古屋で修業を始めるなど、この店は地域の若者にも影響を与えています。
ご主人は「料理を通じて、この町を出て、また帰ってきたくなるような経験をしてほしい」と話します。

「お客さんのお腹と心を満たすことが一番。儲けは度外視です。」と語るご主人。
その言葉通り、食材を余すことなく使い切り、頭の中でイメージした料理を丁寧に形にしていく姿は、まさに“THE料理人”。

郡上八幡を訪れた際には、ぜひこの隠れ家レストランで、ここでしか味わえない一皿を楽しんでみてください。ご主人と奥様が大切に守り続ける日常の中に、この町ならではの温かさを感じられるはずです。きっと旅の記憶に残る、特別な時間になるでしょう。
この記事を書いた人
TABITABI郡上 編集部
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