郡上八幡で味わう、とっておきの麺ランチ
郡上の水が活きるこだわりのうどん屋「翔太のうどん」
また、同じく新町通りを歩くと風格ある和モダンなお店が目を引きます。
それが「翔太のうどん」です。

店内は木の温もりを感じる落ち着いた雰囲気で、まるでおばあちゃんの家に遊びに来たような雰囲気。

店主の翔太さんは生まれは郡上市美並町、育ちは愛知県岡崎市。海外で働きたいという夢を持って一度は海外へ旅立ちましたが、最終的に「自分のルーツである郡上で、海外から来た人たちにも喜んでもらえるお店をつくりたい」と、郡上に戻ってきました。

もともとはゲストハウスを開くつもりで借りた大きな古民家でしたが、消防法の壁にぶつかり、まずは居酒屋としてスタート。
その後、コロナ禍を経て「お酒に頼らずにできることを」と考え、うどん好きだったことをきっかけに香川で修行。
朝4時から出勤して学んだ讃岐の技術を、郡上の水と郷土の知恵で昇華させて、2023年4月「翔太のうどん」として新たにスタートを切りました。

看板メニューは「かけうどん」。うどんには郡上八幡の水が使われており、ツヤがあり、しっかりとコシと感じられる麺は、まさに水の力を生かした一杯です。
こだわりの出汁は、香川の伊吹いりこをベースに、地元の好みに合わせてカツオ節を加えた優しい味わい。
居酒屋時代の常連さんたちと意見を交わしながら試行錯誤し、地元の人が本当に「おいしい」と思える味にたどり着いたそう。まさに町の人と一緒につくりあげた、郡上のうどんなのです。

もうひとつ見逃せないのが、翔太さんのおばあさんが担当する天ぷら。あずき菜をはじめとして、畑で採れたばかりの野菜を使った素朴で優しい味が、うどんと見事にマッチ。土日限定で提供される炊き込みご飯がついた「郡上八幡定膳」も大人気です。

冬季限定の「味噌煮込みうどん」には、郡上味噌と八丁味噌を合わせた出汁に、郡上産のごぼうを加えて旨味を引き出しています。寒い季節に食べると、体の芯からほっと温まる郡上のごちそうです。
麺は時間が経つと品質が落ちてしまうため、賞味期限はゆでたて10分。「せっかく来てくれた人に最高の状態で出したい」と話す翔太さんの姿勢が伝わってきます。

盛り付けにも一切の妥協なし。目でも楽しめる美しさを意識しているのは、「うどんで笑顔になってもらいたい」という翔太さんの気持ちから。
また、うどんの出汁はカレーや天丼のたれにも応用、天丼にはご飯と天ぷらで異なるたれを使用するなど、細やかな工夫が光ります。
今でも新しい粉や素材を取り寄せて日々研究を重ねているそうです。

「郡上って、夏の踊りイメージが強いけれど、実は秋や冬もすごくいいんですよ」
うどんをきっかけに、そんな郡上の魅力をもっと伝えていきたい。地元の人たちにももっと喜んでもらえるお店になっていきたい。翔太さんの挑戦は、まだ始まったばかりです。
この記事を書いた人
TABITABI郡上 編集部
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