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パワースポット巡り
「ロマン伝説に出会う旅 — 和良」

文: TABITABI郡上 編集部
投稿日: 2020年2月26日 最終更新日: 2021年11月16日
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【鬼の首伝説】1000年前の「鬼の首」が目の前に!

伝説を巡る和良の旅のクライマックス!鬼の首が安置されている真宗大谷派・松沢山念興寺へ訪れました。戸隠神社からは1本道で、わずか数分です。拝観窓口がないため、インターフォンを鳴らしてみると、間もなく住職さんが現れて案内してくれました。本堂の奥には、観音開きの扉を閉めた厨子があり、その前には椅子が並んでいます。もしや…と思っていると、住職さんが椅子へかけるよう案内してくれました。そして、鬼伝説にまつわるお話を伺うことができました。

◆伝説その4:事実と形で和良に残る伝説【瓢ケ岳の鬼退治伝説】

天暦年(900年代後半)・第62代村上天皇の時代のことです。鬼が人里へやってきては、田畑や家畜、人さらいなどの悪事を働いていました。妖怪のように色々なものに化けては人を驚かすことも多く、村人たちが困って天皇へ鬼の退治を要請しました。そこで、藤原高光が京都から瓢ケ岳へ派遣されましたが、なかなか鬼は姿を現さず1~2年経ってしまいました。
ある時、粥川でウナギに導かれ上流へ行ったところ、鬼の住処・洞窟を発見。ところが、鬼はとても強く歯が立たないうえ、色々な姿に変身するので高光は手をこまねいていました。当時、知恵を授けてくれることで信仰を集めていた虚空蔵菩薩へお祈りしたところ、ある日、高光は夢のお告げを受けました。
「朝早く飛び立った大きな鷲を矢で射落としなさい」と、矢が授けられたのです。
朝起きると、高光の枕元に白い羽の矢が置いてありました。
さっそく鬼の住処を見に行くと、鬼がいました。矢を目にした鬼は怯え、山の中へ逃走。高光は追いかけ追い詰めましたが、鬼は濃霧の中へ逃げ込んでしまいました。するとそこから大きな鷲が飛び立ったのです。お告げ通りに矢を放ったところ、命中して鷲は谷底へ。確認しに行くと、鬼が倒れており、刀で首をはねて退治することができました。その後、高光は粥川で子孫を残し、代々鬼の首を守ってきました。

700年の時を経て、「鬼の首」が和良へ

今から約300年前の元禄の頃、高光の子孫・粥川太郎右エ門は和良に移り住みました。
鬼は確かに人々を苦しめたが、700年経った今、憎み続けても仕方がない。鬼とはいえ、尊い命に変わりない」という考えから、鬼の首を供養してくれるお寺を探しましたが、なかなか色よい返事を聞くことはできませんでした。そして「念興寺」へたどり着き、供養されるようになったとのことです。それから250年間、目にも手にも触れることのない蔵の奥に保管されていた鬼の首。50年前に資料文化財として指定されたことをきっかけに本堂へ移動し、展示されることになったのです。今でこそ一般に公開していますが、昔は、保管している箱を開けるだけでも嵐になると言われ、厳重に保管されていたようです。

いざ!鬼の首と対面

お話上手な住職さんの説明に思わず聞き入ってしまう参拝者一同。そして、住職さんはおもむろに観音開きの扉に手をかけました。いよいよ「鬼の首」との対面です!

人間の頭蓋骨とは大きさも形も異なり、震えがきました。なんと角が2本生えています。また、張り出た頬骨、少し前に出た下顎、そして後頭部がとても大きいのです。取材用に写真を…と思って住職さんへお願いしてみましたが、写真に撮った人が続々と不幸に見舞われると言われているらしく、撮影はオススメしないとのこと。ぜひ住職さんから臨場感あふれるお話を伺い、自分の目で見てきてください。

ちなみに、このお寺はしだれ桜の名所としても知られており、4月には見事な花景色を見ることができます。あと1か月早く訪れていれば…と悔しい思いですが、今の時期(5月)はみずみずしい新緑が広がっていて清々しい空気を堪能できました。

◆番外編:鬼退治伝説が残るもうひとつの場所・粥川

住職さんの話の中にあった粥川には、鬼退治伝説の「形」が3つ残っています。少し気になったので、日を改めて出かけてみました。

まずは名称から。高光が鬼を退治した矢を納めたと言われている滝が「矢納ケ淵」(やとうがふち)と呼ばれています。とても澄んだ水が矢を清めてくれたのでしょうか。その傍らには二度と鬼が現れないことを願い、高光に夢のお告げを与えた虚空蔵菩薩が祀られた「星宮神社」が鎮座しています。そして粥川では、道案内してくれたウナギを「神のおつかい」として敬い、守り保護するように「捕まえない」「食べない」という風習が今でも残っているのです。

鬼退治の伝説は日本各地にあるかもしれませんが、鬼の頭蓋骨や地名・神社・風習という「形」で残っているということを考えると、「伝説」ではなく「史実」だったのかなと想像するのも壮大なロマンですね。

蛇穴から念興寺まで、ぐるりと巡ること約4時間。それぞれ車で5分ほどの場所にギュッと集まっているので、たった半日でこれだけ多くの伝説の地を訪ねることができるのも和良の魅力です。帰りには、道の駅 和良で「長寿だんご」なるものを発見!この和良町は2000年度における全国市区町村別の平均寿命ランキングで、男性の平均寿命が80.6歳となり、日本一の長寿村であることが判明しました。「長寿だんご」は、絹豆腐に白玉粉を混ぜ、さらに健康維持に期待が持てると言われる和良の特産品・アガリスク茸を隠し味にした醤油ダレがかかっているそうです。とてもフレンドリーなお店の方から「長寿だんご」の名前の由来や作り方を教えてもらいながらペロリ。こういう出会いも旅の醍醐味ですね!

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この記事を書いた人

  ねこ編集長

TABITABI郡上 編集部

TABITABI郡上は「度々、何度も訪れたい街、郡上」をキャッチコピーに、郡上市の観光情報や魅力を伝えるメディアです。たくさんある郡上の魅力に触れながら、季節ごと、エリアごとに楽しむことができる旅の提案、郡上市の新しい魅力に触れられる情報を提供し続けていきます。

Photographs by TABITABI郡上編集部

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