郡上の未来を考える...アウトドアの祭典 GUJO OUDOOR WEEK 2021を終えて
10月30.31日、11月6.7日の2週に渡って計4日間で行われた「郡上アウトドアウィーク」が終了しました。
郡上市全域がフィールドとなり、8会場で延べ15プログラムの体験が開催、後半の11月6.7日は「サスティナブルな未来の拠点」をコンセプトに、八幡町にあるセントラル会場でアウトドア関連のショップや地元が誇る飲食ブース、子ども向けの体験からアクティビティまで、約40の魅力的なブースが並びました。体験参加者、セントラル会場来場者合わせて延べ約5,000人の方に訪れていただきました。
お天気にも恵まれ、鮮やかな紅葉に染まる秋の郡上のそのロケーションに感嘆の声が上がっていました。
「外でこんなにおもいきり遊べたのは久しぶり!」
そんな声が多く聞かれました。
また、
「楽しかった!こういうイベントを待っていた!」
「ありがとう!」
そんな言葉もかけていただきました。
コロナ禍での閉塞感がずっと続いてきた中で、やっと体も気持ちも開放できたタイミングだったんだと思います。
どの会場もどの体験も、参加者の方も出店者の方も関係者も、みんなが笑顔だったことがとても印象的でした。
郡上のフィールドを感じる
「自然って良いよねぇ」
ツアーに関わる中で、お客様から最もよく聞く言葉です。
郡上を訪れる人の多くは、長良川のせせらぎに、新緑や紅葉の山々に、そして雪の景色に、ときに感動し、ときに癒やしを覚え、ときにその中に身を置きながら遊び、全身で気持ち良さを感じられます。
今回の体験アンケートにも「自然環境が非常に良かった」という感想を多く見かけました。
外から訪れる方、特に都市部の方にとっては今の郡上の環境も素晴らしいものに映るのだと思います。
しかしながら、私たちのように長く、そして今も毎日のように自然環境に関わるものにとって、今の状況は必ずしも良いとは言えません。むしろ、多大なる危機感を覚えています。
かつては数年に一度であった夏の川の氾濫や洪水が毎年のように発生して各地でさまざまな被害をもたらし、真冬にスキー場に雨が降って真っ白いはずのゲレンデが茶色くなる。
ほんの数年前には考えられなかった状況が郡上のフィールドでも実際に起こっています。
こんな急激な環境変化がこれから先も続くことは想像もしたくないし、多くの方を楽しませ、癒やしや感動を与え、そして私たち自身が楽しんできたこのフィールドが失われることなんて決してあってはいけない。
自分たちの子供や孫を含む未来の子どもたちが遊ぶことのできない自然環境になんてしたくない。
「100年先も郡上に遊べる川と雪山を残すために」
今回のテーマは私たちの中で自然と出てきました。
当初は今あるネガティブな状況、此処から先の危機的な状況を知ってもらうことを重視した内容にすることも考えました。
しかし、実行委員の中で出てきた結論は、「まずは郡上の自然やライフスタイルを知ってもらって、楽しんでもらおう」ということになりました。それが「遊びましょう」というタイトルに繋がっています。
まずは遊んでもらうこと、自然の中で遊ぶことや過ごすことの楽しさを知ってもらうこと、無農薬で作られた野菜を味わってもらうこと。手作りで物を作ることの難しさと楽しさを体験してもらうこと。
その上で、自然環境に対する関心を高めてもらって、少しだけ、ほんの少しだけでも将来のことを考えてもらうことができればこのイベントの意義があると考えました。
そのために、SDGsやカーボンニュートラルなどを意識したエシカルな体験や仕掛けを散りばめました。
例えば、排気ガス削減のためにEVカーを活用したシャトル運行の実証実験や、プラスチックやビニール製の買い物袋を削減するためにエコバックを配布。また、城下町を巡るe-Bikeサイクリングでは、充電の電力を太陽光発電でまかなっていたり、ラフティングで川を下りながらゴミ拾いをしたり。源流の森再生ワークショップは今回のイベントテーマに最も近い、ここから先の環境を考えた時に必要な、学びに溢れた講座となりました。
伝わった部分も、全然伝わらなかった部分もあるかと思います。
でも、私たち実行委員と郡上のアウトドア事業者は、今回のイベントを通じて大いなる手応えとこれから先の希望を持つことができました。
ここからはより具体的に、未来の自然環境を考えた動きを作っていきます。
イベントはきっかけにすぎません。
ここからがスタートです。
ここから、そして、これから。
ホモ・ルーデンス(=遊ぶ人の意)という、遊ぶことに人間の本質的機能を認める立場から人間を規定した歴史学者ヨハン・ホイジンガの説があります。
ホイジンガは「遊びは文化に先行しており、人類が育んだあらゆる文化はすべて遊びから生まれた、つまり、遊びこそが人間活動の本質である。」と説いています。
説の受け止め方、解説の仕方はそれぞれあるでしょうが、言葉だけをなぞるなら、我々のやっていることは決して間違っていません。
これからもずっとずっと遊び続けていきたいと思います。
遊ぶこと、遊んでもらうことが、100年先の自然環境を守ることに繋がると信じています。
あらためまして、今回GUJO OUTDOOR WEEKにご参加いただいたすべての方、ご協力をいただいた方に心から感謝申し上げます。
郡上に暮らすみなさん、100年先を見据えた郡上ライフを共に楽しみながら作っていきましょう。
郡上市外に暮らすみなさん、これからの郡上にご注目ください。
そして、どんどん遊びに来てください。どんどん多くの知り合いを郡上に作ってください。
すべての方へ、
これからも未来のために、共に思い切り遊びましょう!!
GUJO OUTDOOR WEEK 実行委員長
郡上市アウトドア事業者協議会事務局長 水口晶
公式インスタグラム @gujo.outdoor.exp