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名人に習う鮎の友釣り

“鮎の友釣り”は、おとり鮎を泳がせて行う野鮎との駆け引き。渓流で繰り広げられる頭脳戦です。
長い竿でかかった鮎を引き上げる姿がかっこいいと憧れる方も多いのだとか。
しかも、相手が日本一に輝いた和良鮎となれば、ぜひ挑戦してみたいもの。

そんな「和良鮎」と「友釣り」について、和良川漁業協同組合長で鮎釣り名人・大澤克幸さんにお話を聞きました。

鮎釣り名人・大澤克幸さんとは?

和良川漁業協同組合長 大澤克幸さん

大澤克幸さんは、和良川漁業協同組合長で、鮎釣り名人として知られています。
郡上市和良町に生まれ、子どもの頃から和良川で友釣りを楽しみ、現在は、和良川漁業協同組合長、和良鮎を守る会代表、和良川を守る会の会長を兼任。
和良鮎を愛し、和良川の環境保全に尽力されています。
鮎釣りの腕前はピカイチで、2006年にはダイワ鮎マスターズで全国3位に輝きました。人一倍強く和良鮎を大切に思う心の持ち主です。

大澤さんが愛する「和良鮎」と「和良川」の魅力

鮎は、美しい姿から清流の女王と呼ばれてきました。なかでも和良鮎は、全国清流めぐり利き鮎大会で、4度のグランプリと5度の準グランプリの受賞歴を持ちます。
「清流めぐり利き鮎会」の審査は、姿、香り、わた、身、総合の5つの要素から評価します。多数の受賞歴を持つ和良鮎は、鮎の中のクイーン オブ クイーンと言っても過言ではありません。その和良鮎を育むのが、清流和良川です。

郡上市東部に位置する和良町。その和良町を流れる和良川

和良川は、木曽川水系の豊かな森に囲まれた最上流。
鍾乳洞が点在し、川底からは大地によって濾過された伏流水が至るところから湧き出ています。

水質の良さと穏やかな流れは、川に住む生き物にとって恵まれた環境で、天然記念物のオオサンショウウオや、鮎と同様に藻を食べるアジメドジョウなども生息しています。
危険が少なく、美味しい鮎が獲れる、和良川は、友釣り初心者におすすめの川です。

鮎の友釣りとは

“友釣り”は、世界的にも珍しい日本独自の釣り文化です。
鮎はおいしい苔が生えるお気に入りの場所を見つけると、独り占めできるように“縄張り”を作り、そこに他の鮎が侵入すると体当たりをして追い払います。この習性を利用したのが友釣りです。

水面から見て、苔にスジがついて岩肌が白くみえる石は鮎が苔を食べた証拠。そこが縄張り、おとり鮎を泳がせるポイントです。
おとり鮎と呼ばれる生きた鮎に針を仕込み “縄張り”に侵入させ、怒って体当たりしてきた野鮎に針をかけて釣り上げます。

鮎を釣るには、流れのある川でおとり鮎を自在に泳がせるテクニックと、野鮎がいるポイントを見定めることが必要です。また、おとり鮎を仕掛ける野鮎との駆け引きがあり、頭と感覚をフルに使うスリルが鮎の友釣りの魅力です。

友釣りの竿の特徴や性質

友釣りは、「のべ竿」と呼ばれる竿を使用し、約7~9mが主流です。
友釣りの竿はとても繊細で、少しの傷でも竿の折れる原因になります。
竿を石の上に置かないように、どうしても置く場合は、そっと置くか、叢の上に置くなど注意が必要です。

仕掛けとおとり鮎を取り付ける際は、肩に担ぎながら取り付けていきます。

釣り場や釣り方によって竿を使い分ける

竿にはそれぞれ性質があり、釣り竿によっておとり鮎の操作性が変わります。
「調子」とは、竿の曲がる支点や竿の重心を表すもの。どの辺りが曲がるかで調子は決まります。「先調子」なら先の方がよく曲がる、「胴調子」なら中心に近い方がよく曲がるということです。
釣り場と釣り方によって、この「先調子」と「胴調子」の竿を使いわけます。

泳がせ釣りには「先調子」

浅瀬で流れが穏やかな和良川のような川は、おとり鮎を自由に泳がせる“泳がせ釣り”という釣り方をします。

“泳がせ釣り”は、おとり鮎の泳ぎを妨げないように糸の緩み加減を調整しながら自由に泳がせ、縄張りへ侵入させる釣り方です。
竿は立てて持ち、竿の先の調子を感じながらおとり鮎を操作します。
おとり鮎をポイントへ誘い、掛針に野鮎がかかるのを待ちます。

“泳がせ釣り”では「先調子」の竿がおすすめ。
釣り竿の先が柔らかくブレがないので、おとり鮎の操作がしやすくなります。

引き釣りには「胴調子」

水深があり、流れが速い長良川のような川の場合は、糸の緩み加減を調整しながら鮎を上流へ泳がせる“引き釣り”という釣り方をします。

“引き釣り”は竿を水面近くまで倒し、ゆっくりとおとり鮎を上流へ移動させながら、縄張りに侵入させます。
泳がせ釣り同様、糸の緩み加減を調整して、おとり鮎に無理をさせずに泳がせるのが大切です。

引き釣りは竿の弾力を利用して、鮎の泳ぎを助けながら上流方向へ上げていくため、竿の中心に近い部分が曲がる「胴調子」寄りの竿が操作しやすくなります。
また「胴調子」を使用することで、鮎がかかった際に引き込まれても竿を起こしやすく、取り込みが容易です。

お話を聞いている最中にも名人の竿に鮎がかかり、弓なりになった長い竿の先から銀色に光る鮎が空を切って、見事にタモに収まりました。


名人ならではの技量は、まさに感嘆の一言です。

友釣りを始めてみたい方へ

和良おこし協議会 加藤真司さん

和良おこし協議会の加藤真司さんよりメッセージをいただきました。

川や自然と一体となるような集中力でおとり鮎を操作する“鮎の友釣り”
和良地域おこし協議会では、和良川漁業協同組合と協力して、毎年「和良鮎友釣り教室」を開催されています。
道具一式のレンタルもあり、初心者でも気軽に体験できます。
友釣りを始めてみたい方はぜひご参加ください。

◎お問い合わせ先
和良おこし協議会
〒501-4511 岐阜県郡上市和良町下洞554
TEL:0575-77-2277


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