【移住失敗?】失敗例から学ぶ“田舎移住成功”のポイントとは? 郡上市Ver.

文:IROIRO郡上編集部
投稿日: 2024年3月24日 最終更新日: 2024年3月25日
 スライダー画像1

「自然にあふれた魅力的な環境で暮らしたい」そんな思いから、地方への移住を考える人が増えています。長良川の豊かな水源と四季を彩る美しい山々に囲まれた郡上市も、その候補地として人気の場所のひとつですが、いい面だけを見て移住を決めるのはNG。今回は、移住のメリットだけでなく、自然に囲まれた場所だからこそ生じる“交通面の不便さ”などのデメリットを含め、先輩移住が「移住失敗?」と感じたポイントなどから学ぶ“移住成功の秘訣”を紹介。読めばきっと、移住成功の夢にグッと近づくことができるはず!

こんなはずじゃなかった!先輩移住者が「移住、失敗した?」と感じたポイント

雪が積もった里山の様子

実際に移住してみると「想像していた暮らしと違っていた」「思っていた以上に手間がかかった」など、移住にまつわる失敗や思い違いは多々あります。郡上市に限らず、全国的に多い「移住失敗を自覚する要因」は下記のようなポイント。「移住後にどんな問題が発生する可能性があるか」これを認識しておくことで、移住の成功率がグンと上がります!

【交通の不便さ】

「最寄り駅まで遠い」「電車やバスの本数が想像以上に少なかった」など、“都会で暮らしていた時とは同じようにいかないこと”の代表格が「交通の便」です。地方では電車は1時間に1本、バスは2時間に1本という地域も多いため、普段の生活では支障がなくても、たとえば病院通いなどを始めたタイミングで「これは大変かも」と思いはじめることもあるんです。

【車が必須・車の維持費がかかる】

「歩いて行ける距離にスーパーや病院がない」「公共交通機関が少ない」ということから、生活の利便性を高めるには車は必須。だけど、移住前は所持していなかった車を購入すると維持費がかかるようになり「月々の出費が増えた」という人も……。

【意外と光熱費がかかる】

都市部での生活とくらべて光熱費が安くなるだろうと考えていたら「都市ガスからプロパンガスになったため、ガス代が上がった」「自治体によって違うと聞いていたけれど、想定より水道料金が高かった」「冬は寒い地域のため、暖房器具使用で電気代が上がった」。こんなふうに移住後の光熱費が想定以上だったことで、移住に対して「こんなはずじゃなかった」と感じるケースがあるそう。

【コミュニティの狭さに慣れない】

人口が少ないエリアでは、都市部のような“付かず離れず”のスタンスではなく、ご近所付き合いや地域活動をとおして人間関係と安心感を築いていく傾向にあります。近隣住民と顔を合わせる機会が多いことから「町の住人がほぼ全員顔見知りで、どこに行っても誰かと会う」「ご近所付き合いに疲れた」「噂話がすぐに広がった」など、都会よりも濃い人間関係が合わない場合も。仕事や暮らし方だけでなく「移住先のご近所さんとどう付き合っていくか」ということも考えておくのが◎!

【仕事がない・給料が安い】

「移住に合わせて転職した」という移住者も多いですが、「求人数が少なく、転職に苦労した」「キャリアを生かせる職種を見つけられなかった」「想定していたよりも収支のバランスが悪い」など、生活するために重要な収入源である “職” にまつわる「想像と違っていたこと」もよくある例。また、「思っていた以上に通勤時間や通勤距離が負担になった」というケースもあるそう。

しかしこれらの「こんなはずじゃなかった」は、移住前の調査不足が一番の要因。楽しいはずの新生活を失敗に終わらせないためにも、移住後の生活を具体的にイメージしてシミュレーションし「デメリットになるかもしれないこと」をしっかり調べておきましょう。そうすれば、移住してから大きく困ることはなくなるはずです。

郡上市への移住に失敗しないために
抑えておきたい4つのポイント

母親と2人の子供がしゃがんで花を見ている

【1】「なぜ移住したいか」理由を明確にする

伝統的な家々が立ち並ぶ路地

なぜ郡上市に移住したいのか「移住したい理由」を明確にし、しっかり話せるようにしておきましょう。理由を明確にすれば、「どんな場所に住むか」「どんな働き方をするか」「子どもをどう育てたいか」など移住後の暮らしのイメージがつきやすくなります。イメージがつけば移住後の生活のシミュレーションがしやすくなり、移住前に「調べるべきこと」「解決しておかなければならないこと」が見えてくるはず!

【2】移住相談窓口に相談する・先輩移住者から情報収集する

古民家の中で話を聞く人たち

さまざまな角度から情報を収集するためにも、移住相談窓口に相談しましょう。「郡上・ふるさと定住機構」では、対面での移住相談、オンライン移住相談を行なっています。また、東京・名古屋・大阪にも移住相談窓口があるので、こちらを活用するのもおすすめです。相談内容によっては先輩移住者や相談内容に強い現地の識者を紹介してくれるケースもあるので、分からないこと・不安なことの相談にぜひ活用してくださいね。

【3】短期滞在をしてみる

宿の入り口に掛かった暖簾

休暇を利用するなどして短期滞在し、移住する先に致命的な”移住できない理由”がないかをしっかりと確認しておきましょう。郡上市には、さまざまな体験ができる「お試し移住」のプログラムがあるので、こういったプログラムを活用してしっかりとチェック! 住むエリアをある程度絞れているなら、具体的な生活をイメージしながら交通・医療・教育機関などを現地で確認しましょう。

暮らすように旅する~農家民宿でプチ移住体験!
郡上暮らし体験“オーダーメイドプラン”

移住に関する補助金を活用できるよう、調べておく

古民家の内装

郡上市には移住の際に活用できるさまざまな支援金・補助金制度があり、こういった制度をうまく使うことで、新生活の負担を軽減できるのも大きなポイント! そのためにも「どんな補助金があり、自分には制度が適用できるか」をしっかりと調べておきましょう。

49歳以下の移住者に適応する場合

「郡上市移住支援補助金」
2人以上の世帯で郡上市に転入する場合は10万円、単身での転入は5万円

・住宅もしくは店舗の新築・増改築・リフォームを考えている場合

「郡上市産材住宅建設等支援奨励金」上限額:70万円

・買った空き家、借りた空き家をリフォームしたい場合

「郡上市空き家等活用改修費補助金」上限額:30万円

・郡上市内で3世代同居を考えている場合

「郡上市三世代同居等支援住宅補助金」上限額:15~50万円

・夫婦で家を買いたい・借りたい、リフォームしたい場合

「郡上市結婚新生活支援補助金」
  上限額:夫婦ともに39歳以下=最大30万円
      夫婦ともに29歳以下=最大60万円

上記は、郡上市への移住や住まいの準備に使える制度の一例です。他にもさまざまな補助金制度があるので、詳細は、こちらをチェック!

知っておきたい!
郡上市への移住のデメリットと対策

紅葉しはじめた山

ここでは、前述した【先輩移住者が「移住、失敗した?」と感じたポイント】の5項目をもとに、郡上への移住の際にデメリットになりそうなポイントをピックアップ。対策や考え方次第でデメリットにはならない場合もあるので、ひとつずつ確認していきましょう。

【郡上市のアクセス事情は意外と良好】

河川敷の土手を走る2両編成の赤い電車

都市部とくらべて交通の便は悪くなりますが、郡上から名古屋まで車で約60分とアクセス良好。高速バスも走っています。また市内は巡回バスもあり移動もしやすいため、不便さを強く感じることはないはず!

【郡上市でも車は必須】

雪が積もったチェーン着脱場

日々の買い物など、日常生活に車は必須。冬季は積雪があるため、スタッドレスタイヤが必要となり、タイヤの購入代や交換費用がかかります。でも車があれば、足元が滑りやすい冬季の外出がグンと便利に! 寒い中で電車やバスを待つ必要もありません。

【プロパンガスの高さと季節毎の変動】

50cmほど雪が積もった街

プロパンガスの場合、ガス代は都市ガスの1.5~2倍程度かかります。また、冬季は雪が降る寒さのため、暖房代が嵩むケースも。しかし夏は涼しいところもあり、扇風機だけでしのげる場合もあります。猛暑日が続く地域が多い昨今の夏。“夏が過ごしやすい”というのはありがたいポイントです。

【郡上コミュニティのオープンさと親しみやすさ】

田植えをする人々

都市部と比べると地域コミュニティは狭く、郡上市に移住した際は都会よりも濃い人間関係を築くことになりますが、1年を通して観光客が多く訪れる郡上の人々は外から来た人に慣れていることもあって、比較的オープン! 気さくで温かな人間関係に、UターンやIターンで移住する人は「なんか懐かしい感じがする」と楽しく穏やかに過ごせるはず。

【求人相談と郡上市補助金の活用】

相談スペース

移住後は、郡上市で働くことを考えている人も多いと思いますが、都市部とくらべると「希望の職種の求人件数が少ない」という問題にぶつかることがあると思います。そんなときは、職業相談などに相談するのもおすすめ。給料は都市部よりも下がる傾向にありますが、郡上市の企業で働くなら、下記のような奨励金・補助金をうまく活用するのが◎!

・「郡上市UIJターン者・新規学卒者就職奨励金」

UIJターン者・新規学卒者に10万円が交付される。

・「郡上市介護職員奨励金返済支援事業」

介護職員の奨学金の返済を支援。
(最大で100万円/20万円×5年間)

こんなところがおすすめ!
郡上市移住のメリット

豊かな自然を楽しみながらアクティブな生活ができる

川遊びをする子供たち

長良川の豊かな水源と四季を彩る美しい山々に囲まれた郡上市での暮らしは、自然と共に子育てを望む人にもぴったり! 子どもたちは、美しい清流での川遊びからも多くのことを体験しながら学び、たくましく大きくなっていきます。釣りやキャンプ、ウィンタースポーツなどのアウトドアアクティビティもすぐ近くでできるため「休日はアクティブに動きたい」という人にも、本当におすすめできる街です。

郡上でしか味わえない郷土料理を堪能!

鶏肉と野菜をつかった料理

郡上市には「漬物ステーキ」や「鶏ちゃん」など、古くから脈々と受け継がれてきた貴重な食文化が今も多く残っています。郡上の風土や暮らしの知恵が色濃く映し出された里山グルメは、家庭や店ごとに食材や味付けに個性あって、それぞれに美味! また、郡上市ならではの味わいや旬の食材を見つけられる朝市も人気。地産のお米や地元の生産者による新鮮野菜など、季節感のある彩り豊かな食材が並んでいるので「地産地消で新鮮なものを美味しく味わいたい」「郡上ならではものもを食したい」と考えている人にもぴったり!

外国語やデジタルなどスキルが身に付く学校教育

パソコンを使う小さな子供たち

子どもたちの教育に力を入れているのも、郡上市の特徴のひとつ。最近では各学校に配置されている外国語指導助手(ALT)を活かし、授業・行事・休み時間なども含めて児童が外国語を用いたコミュニケーションを楽しみ、慣れ親しめる環境作りがされていたり、教育のデジタル化も浸透。すでに児童・生徒へのタブレット端末の整備も完了しており、ICTを活用して学べるなど、将来的に必要なスキルを小さな頃から身につけられるような教育が行われています。

江戸時代の古き良き文化を感じられる“おどり”と“町並み”

浴衣姿で踊る人々

郡上市といえば、“おどり”。「おどりが好きで移住した」という人もいるほど人気で、毎年夏になると、江戸時代から約420年間歌い・踊り継がれ、ユネスコ無形文化遺産に登録された「郡上おどり」や、白山信仰とつながりの深い「白鳥おどり」などを目当てに多くのファンが全国から集結! また、郡上市のシンボル的存在で、作家・司馬遼太郎が「日本で最も美しい山城」と評した郡上八幡城と、江戸時代初期に整備された城下町の古き良き町並みは、魅力がいっぱい。歴史を感じながら散策するのがおすすめです。

郡上市移住に向いているのはこんな人!

石垣の下から見上げたお城      
  • ・郡上市でのびのび生活できるイメージがある人
  • ・Uターンや親戚が住んでいるなど、郡上市に縁がある人
  • ・ウィンタースポーツが好きで、郡上市のスキー場によく遊びに行っている人
  • ・三度の飯より「郡上おどり」が好きな人
  • ・郡上市の自然や食を楽しみたい人
  • ・郡上市で起業にチャレンジしたい人

ひとつでも当てはまるなら、移住の成功率は高いかも!? 郡上市への移住を考えているなら、今回紹介した下記ポイントをしっかりチェック。新生活に向けて、しっかりと準備を進めていきましょう!

     
  • ・移住後の生活を具体的にイメージしてシミュレーション。短期滞在なども活用して「デメリットになるかもしれないこと」をしっかり調べる
  •        
  • ・「なぜ移住したいか」理由を明確にして、移住相談窓口に相談する
  •        
  • ・新生活にプラスになる“移住に関する補助金”について調べておく

郡上移住に役立つ下記URLなどの情報も活用して、楽しみながら移住の準備をしていきましょう。

■移住相談はこちら 郡上・ふるさと定住機構

■空き家情報はこちら 空き家バンク

■お試し移住体験はこちら 暮らすように旅する~農家民宿でプチ移住体験! 郡上暮らし体験“オーダーメイドプラン”

■郡上の魅力はこちら https://tabitabigujo.com/appeal/

この記事を書いた人

IROIRO郡上のロゴ

IROIRO郡上 編集部

IROIRO郡上コラムは、郡上市ふるさと定住機構監修のもと、「郡上市ともっと関わりたい!」「住んでみたいかも!」と思い立った人に役立つ情報をお届けするメディアです。郡上市で暮らす人や、地元に根付く企業のほかイベントや移住支援情報など、観光以外の郡上市の魅力を発信していきます。

Photographs by IROIRO郡上編集部

この記事をシェアする

一般社団法人

郡上・ふるさと定住機構
移住相談窓口「ふるさと郡上会」

〒501-4222 岐阜県郡上市八幡町島谷130-1

TEL 050-5370-7310 (平日10:00-17:00)