観光地でも別荘地でもない、わずか約40世帯が暮らす集落へ。キャンプの真髄に触れる「母袋キャンプ場」 イメージ

【編集部 宿泊施設探訪】 観光地でも別荘地でもない、わずか約40世帯が暮らす集落へ。キャンプの真髄に触れる「母袋キャンプ場」

郡上八幡から20kmほど北にある、母袋(もたい)という小さな集落。ここは国が指定する「どぶろく特区」であり、集落のみなさんはどぶろくはもちろん、お酒をよく飲み、“限界集落”ならぬ、“宴会集落”と呼れています。

独特の文化が根付くこの集落に、冬はスキー場として運営されているキャンプ場「母袋キャンプ場」があります。秘境感漂う場所ですが、天然温泉にも入れて、実はリピーターの多い人気のキャンプ場なんです。

常連客を惹きつける理由を探しに、編集部が取材に行って来ました。

ありのままの自然で過ごす、キャンプの醍醐味を味わう

東海北陸自動車道ぎふ大和I.Cを降りて約20分。
田畑や古民家の間を縫うように続くゆるやかなカーブの坂道を、標高850mまで登った突き当たりが「母袋キャンプ場」です。

母袋温泉本館 外装

「ようこそ母袋温泉へ」と大きく書かれた建物が受付です。

山奥のキャンプ場としては珍しく、天然温泉に入ることができます。日帰り入浴もOKで、時間は10時〜17時半まで。宿泊のお客さんは、入浴時間を延長してもらえることもあるので、相談してみてくださいね。

母袋温泉 露天風呂
森の中のオートキャンプサイト区画

こちらは、山そのものがキャンプ場。一番低いところで標高850m、高いところでは1340mに達します。ここにオートキャンプ44区画と、バンガローが39棟が建っています。

オートキャンプのうちの半分は野外に電源が用意されています。また、ペットOKのサイトもあるため、ペット連れの方も気兼ねなく過ごすことができます。

川の遊び場

敷地内は小さなお子さんも遊べるようにと、浅い水遊び場が整備してあり、限りなく自然を楽しめます。無料で遊べるアスレチックや1回300円の釣り堀なども。

管理人の佐藤さんによると、「カモシカや鹿、狐、狸など、いろんな動物が生息していて、ときどき現れますよ。出会えると、動物が出た! と喜ぶ子どもさんが多いですね」とのこと。

さらに、木をよーく見ると、クワガタやカブトムシを見つけられたりするそうなので、大人でもついつい嬉しくなっちゃいますね。

また、周りに街灯がないため、星空がとても綺麗なことも見所のひとつ。あえて電源がないキャンプサイトを選び、望遠レンズを持って来て星空を観測する人もいるそうですよ。

炊事場でこだわり料理を

炊事場は全部で5か所。どの炊事場にも蛇口が整備されているほか、炊事場によってはテーブルやコンロ、窯などもあります。
常連の方は自分でダッチオーブンを持って来る人も多いとのこと。こだわりのアウトドアグッズで料理するのも良いかもしれません。

炊事棟

サイズ展開や種類もさまざまなバンガロー

バンガローは4.5畳から18畳まで様々なサイズがあり、テラス付きやペットOKの建物など、シーンに応じて選ぶことができます。

バンガロー 外観
バンガロー 内装

こちらは一番新しく、10畳以上の大きいタイプのロフト付きバンガロー。内装は木製の洋風デザインですが、畳が敷いてあるので寝袋でも快適です。

子どもたちが能動的に遊び始めるキャンプ場

川の遊び場

母袋ならではの、静かな自然環境がそのまま生かされた「母袋キャンプ場」 木に止まっている虫を取ってみたり、川にいる生き物を探してみたり、ご飯を自分で炊いてみたり。

ここには、「作り込まれた場所で受動的に遊ぶ」のではなく「自然の中で能動的に過ごす」という、キャンプの真髄が潜んでいます。

佐藤さんが「常連のお子さんが、年々たくましくなっていく」と嬉しそうに話す姿に、常連客が多い理由が垣間見えたような気がしました。


近隣のおすすめスポット

のんびり自然のなかのアウトドアを楽しむなら、車で5分の場所にある管理釣り場「フィッシング母袋」がおすすめです。
有料でニジマスやイトウなどの魚を釣ることができ、釣り竿、リール、ルアーのレンタルもあります。

もっと体を動かしたい方は「母袋烏帽子岳(もたいえぼしだけ)」のトレッキングへ。初心者向けコースは片道3.5キロほどで、大人の足で上り1時間半、下り1時間ほど。子どもの足でも3、4時間あれば帰ってくることができます。
手軽に登れる山ですが、はじめての方や初心者の方は道に迷う可能性もありますので、出発前には施設でコースを確認して、お出かけくださいね!


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