私たちは、100年後の郡上に美しい自然環境を残すために声をあげ、様々な活動をしています。
その理由は、外遊びの経験にあります。

私たちは幼い頃から川や山で遊んできました。
春の野山を駆け、夏は川で泳ぎ、秋は実りを頬ばり、冬は雪にまみれて。
いつもいつも次の季節が待ち遠しかったことを覚えています。

自然は、友達のようでも親のようでもあり、先生でもありました。
川や山で遊ぶことの楽しさや気持ちよさ、高揚感。
癒され、慰められ、励まされ、時には怒られたことも。

自然の中で遊んだ経験は、何にも変えられない学びや感動を与えてくれました。
それを知っているからこそ、自分の子どもや孫や、その先の世代にも、同じような素晴らしい経験をしてほしい。
その舞台が、自分たちが育ってきた郡上であって欲しいと思うのです。
そのために、100年先の未来、郡上に今よりも豊かな自然環境があることを願い、今、私たちはプロジェクト『FOR NEXT 100 YEARS』に取り組んでいます。

しかし、私たちがいなくなった近い未来、どれだけの人が同じような思いを持って自然環境のために力を注ぐでしょうか？

現代社会の変化によって失われる危機にあるのは、自然環境だけではありません。
テレビゲームやインターネット等の普及により、子ども達が外遊びをする機会も減少しているのです。
決して、それらが悪だということではありません。
でも、長良川をはじめとしたいくつかの清流や恵み多き山林、市内に10のスキー場を有するふるさとがどんなに恵まれた環境であるか、その豊かな暮らしや外遊びの素晴らしさを、郡上の子ども達にこそ、もっと知ってもらいたいのです。

私たちが目指す「100年先の郡上」を思い描いた時、課題に向き合った時、目の前の郡上の子どもたちに地元の自然の豊かさ、楽しさに気づく体験をしてもらうことが、未来に繋げる大切な一歩だということに、改めて思い至りました。

山に潜り、川に浸り、雪を纏って遊ぶ人を育むこと。
その楽しさと豊かさを知る人を繋いでいくこと。

100年先の未来、郡上に今よりも豊かな自然環境があることと同じくらい、
この先もずっと「郡上の自然の中で遊ぶ」ことを継承していくことも大切だと考えています。
これは、今を生きる私たちの責任であり、使命でもあるのです。